走り始めた動機

 平成8年6月末、46歳にして突然走り始めました。体重が増える一方で、ズボンもどんどんときつくなり(身長175cm、体重80kg)このままではいけない、なんとかせねば、と考えてはいたのですが。

 体重を落とすには、大きく分けて2つの方法があります。カロリー制限するか、運動で消費するかのどちらかです。要するに入るのを減らすか、出すのを多くするかの選択です。性格的にダイエットはとても耐えられそうにないので(食べるのが好き、飲むのも……好きです)、やむをえず運動療法を選びましした。

 さっそく近くのホームセンターで、ランニングシューズを安売りをしていたので出かけました。あとになってこの誤りに気づくのですが。

 真新しい靴を履き気分だけはさっそうと、近くにある大川(大阪市内を流れている旧淀川)へ行き、桜の宮公園まで往復約5km走ってみました。運動など普段から全くといっていいほどしておらず、急に走ったため、さすがにくたくたになりましたが、意外と走れたことに対する満足感はありました。

 梅雨の最中に思い立ったため、梅雨明けをすぎれば真夏となってしまい、運動には適していない季節となります。このため梅雨明けにまで、ある程度足を慣らしておこうと、あせった気分になり、2日後に筋肉痛がまだおさまらない足で、今度は淀川沿いに城北公園(菖蒲で有名な公園)まで往復5km走ってみました。淀川が近くにあるのは前からわかっていたのですが、淀川の堤防からの眺めは、大阪市内の雑踏に住む身からすれば、とても新鮮で気分爽快でした。淀川河川敷は整備されており、野球場、サッカー場、公園などが続いており、わんど(川が一部小さく入り江状に入り込んでいる所)では魚釣りもできます。今回もなんとか走れました。

 問題はその次でした。連続2回なんとか走れたため、気を大きくしてしまい、一挙に10km走ろうとしてしまいました。大川沿いに大阪城までいこうとしたのです。住んでいるマンションの窓からは、真南の位置に大阪城が見えており、大阪城まで走れたらいいなと考えていました。走り出して足が何となく重いと感じていたのですが、桜の宮公園まで来ると、右膝が突然痛くなりはじめ、大阪城公園では走るのが困難な状態になってしまいました。家から一番遠い5km地点でどうしても走れなくなってしまい、あとは右足をひきずるように、5kmとぼとぼと歩いて帰ってきました。要するに開始後1週間で膝関節を痛めてしまったわけです。

  (教訓)

1. 安いというだけで、靴を買うな。最近のランニングシューズは細分化されており、入門者用の膝関節を痛めないようなクッションの良い、安定型のシューズを買うべきでした。

2. 何事もあせりは禁物。運動をしようとする気構えは評価できるが、徐々に体を慣らしていくべきである。

3. 住み慣れた場所であっても意外と良いところがある。いろいろと捜してみては。