夏の走りについて

 走るなんて行為には向いていない季節ですが、楽しみもあるのです。梅雨から真夏へと変わる時期で、暑さが敵となりますが、私はこの季節が意外と好きです。太っていた頃は汗ばかりかくので、この季節は苦手でしたが、やせてからは汗も減り、8月でも真昼に走っているため、他人が今日はとくに暑いといって、ぐったりしていても涼しい顔でいられます。また、最初に走り始めたのが6月であったため、最初に一番苦しいおもいをしたため後は楽でした。他人には(初心者には)夏から運動を始めましょう、などと言うつもりは全くありませんが、私にとっては夏に走り始めたのが正解だったようです。

 真夏の風のない日は、照り返しも強く運動などできそうにありませんが、定期的に運動を続けていればなんとかなるものです。風がなくても走っていれば、走ることによって少しは風があたります。注意すべきは脱水症です。走ったあとでは、体重が2kgぐらい減ってしまいます。ほとんどが汗で流れ出した水分なのです。最初はTシャツの前が汗で濡れてきて、つぎに背中、次にランニングパンツと汗がしみてきて、最後にはランニングパンツのすそから汗がしたたり落ちるのがわかります。他人からみれば異様な世界ですが、本人は平気です。

 脱水症といえば、いちど苦い経験があります。梅雨の時期で、ある日曜日、雨がやんだとたんに走りにでかけました。くもりぞらであまり暑くなく、走り出しは快調でした。ただ湿度だけは異常に高く、汗はそれなりにかきました。家に帰ってシャワーをあびたのですが、そのあと突然に体がふるえだし、顔面蒼白となり、手も真っ白で手背の血管も見えなくなってしまったのです。ショック状態になってしまったのです。あわてて水分を多めにとり安静にしていたら1時間ほどでおさまりましたが、明らかに脱水症です。強い日差しなどなく、それほど暑い日でなかったのに、脱水症になってしまいました。要するに、湿気の多い日ほど汗をかきやすいようです。この日以来、梅雨時や真夏に走る際には、小銭をウエストバッグにいれ、自動販売機をみつけては水分補給につとめるようになりました。